公益社団法人 前橋市医師会

紫外線と皮膚がん

2000年06月30日掲載
太田 美つ子(前橋市医師会)監修

紫外線は目に見えない光です。今や一般常識として紫外線は「人体の敵」のように見なされていますが、この紫外線とはどんなものなのでしょう。簡単にいう と紫外線は光の一種で、その波長により異なり波長の長いUVAと短いUVBに分類されます。朝、太陽が昇り始めるとそれにつれてUVBの量も増え、正午に は最大となります。初夏から夏にかけて日焼けするのはUVBが原因であり、シミやソバカスを目立たせて皮膚を黒くするのはUVAのしわざです。
紫外線がわたしたちに及ぼす最も大きな影響として日焼けが挙げられます。日焼けにより皮膚の細胞膜が傷つけられ、長年にわたり強い光を浴び続けると、皮膚の弾力性が失われ、シミ・シワ・イボが目立つようになります。
これが光老化といわれる現象で、がんの発症因子と考えられます。また紫外線によって皮膚の免疫力も著しく損なわれ、皮膚がんが発生してもそれを抑えられないことも問題です。
紫外線により皮膚に好発するがんには、基底細胞がん、有棘細胞がん、黒色表皮腫(メラノーマ)があり、最も多いがんは基底細胞がん、次いで有棘細胞がんです。いずれも患者さんの半数以上が高齢者で、皮膚がんの発生には生涯浴びる紫外線量が関与しています。
皮膚症状は日光がよく当たるほお、耳、下唇、手の甲などに多くみられ皮膚がザラザラして厚みが増し、イボのような角状の突起が発生してきたり、ホクロ様のものが大きくなり、かいよう状となったりすることもあります。
がんのり患率調査によると日本人では人口10万人当たり約10人、米国の白人は232人、黒人は3.4人、オーストラリアの白人は800人と報告されて います。オゾン層が破壊され、有害な紫外線であるUVBがさらに増加すると予測される今、過剰な日焼けには注意が必要です。日焼けしすぎないために日傘、 帽子、サングラス、サンスクリーン剤を利用して皮膚の光老化発症を遅らせ皮膚を守りましょう。