公益社団法人 前橋市医師会

災害とエコノミークラス症候群

2016年10月31日掲載
瀬田 享博(前橋市医師会)監修

長時間のフライトのあと、歩き始めたとたん、急に呼吸困難を起こし、時には死亡する。これが「エコノミークラス症候群」と呼ばれる病気の典型的な例です。飛行機のエコノミークラスで発症する事が多かったためこのように呼ばれています。

近年では、災害で避難している状況で多くの人がこの病気で命を落としています。今年の熊本地震でも10人以上もの人が亡くなりました。原因は車や避難所など下肢が十分に伸ばせない状況に長時間いること。下肢にできた血栓が歩行などの運動を契機に血液の流れに乗って肺に到達。肺の血管を閉塞することで発症します。災害時などは水分をあまり取らないため血液が濃縮され、血栓ができやすくなります。予防には、水分をとって定期的に下肢の運動を行ったり、下肢の血液の流れを良くして血栓形成を抑えたりします。弾性ストッキングを使用することも1つの方法です。