公益社団法人 前橋市医師会

子どもの発熱と解熱剤

2001年11月30日掲載
大 川 秀 明(前橋市医師会)監修

 子どもの急な発熱で、診療所に駆け込んだ経験を持つお父さん、お母さんは多いと思います。
 お父さん、お母さん、慌てないでください。 熱が出るのは、体の中に入ってきたウイルスや細菌をやっつけ、排除して体を守る大切な反応(防御反応)の一つなのです。熱が出ると体はきつくなりますが、ウイルスや細菌はもっときつくなるのです。熱そのものは決して怖いものではありません。
 ところで、熱が出たら直ちに家庭に備え付けの解熱剤を使ってしまうことがあるでしょう。熱が出ても元気がよく、適当な水分と食事が取れるようなら、むやみに解熱剤を使うべきではありません。解熱剤などで急速に熱を下げると、特に子どもは低体温やショックを招くことがあります。さらに最近では、インフルエンザの治療に一部の解熱剤を使うと、重い後遺症を残したり死に至ったりするケースのあるインフルエンザ脳炎・脳症の発生率が高まる可能性があるとされています。これを受けて、日本小児科学会では、解熱剤の使用や選択に際して注意を促し、本県では、既に小児科医が中心に一部の解熱剤の「使用見合わせ」を申し合わせています。
 熱が出たら、嫌がらなければ氷枕をして、どうしても寝つけないなどやむを得ないケースでは、体力の消耗を防ぐために解熱作用の軽い比較的安全といわれている解熱剤(アセトアミノフェン)を必要最小量使うことが望ましいでしょう。
 ウイルスや細菌防御で体温上昇が起こりますので、発熱に対して解熱剤は安易に使わない。また、使っても慎重に使うことを普段から心掛けましょう。
 なお、まれに怖い病気による発熱がありますので、熱が出たら必ず専門医やかかりつけ医の診察を受けてください。