公益社団法人 前橋市医師会

がんでは死ねない

2000年04月30日掲載
星  廣 人(前橋市医師会)監修

がんは日本人の死因の第1位で、4人に1人はがんで死んでいます。そのため「がん=死」というイメージが強いが実際には全体の約半数は治る時代で す。胃がんは、日本人のがんの中で依然として罹患率第1位ですが、死亡率は明らかに減少傾向にあり「死なないがん」になりつつあります。大腸がんは急増し ており、多くの疫学的調査では、西暦2000年を過ぎると、胃がんを抜いて罹患率第1位のがんになると予測されています。

<切らずに治る段階での発見を>
胃がんは早期発見が進み症例も多いので、種々の治療法が開発されています。進行程度に応じた治療が可能な点も、胃がんの特徴です。内視鏡検査では、粘膜内 にとどまった早期がんがよく見つかります。この場合2㎝以下で組織学的に分化型であれば転移の心配はまずありません。内視鏡下の切除で治療可能です。2㎝ 以上でも転移の可能性の少ないがんや、高齢のために体力的に手術の困難な場合には、腹腔鏡下手術が可能です。大腸がんでは、がんが粘膜内にとどまっている 早期なら開腹なしで内視鏡下で切除できます。しかし、粘膜下層や筋層までがんが浸潤しているとリンパ節転移が疑われ、開腹手術が必要になります。

<早期発見には>
日本では、胃がんの集団検診が非常に盛んで、最近では血清中のペプシノーゲン値で胃がんの危険性を見る簡便な方法も開発されています。がんの大きさが2 ㎝以下の早期の人の半数以上は自覚症状がなく、主として検診で発見されています。大腸がんの早期発見には、日本で開発された「免疫学的便潜血反応」が有効 です。これは病巣部からの出血の有無をみる検査で、正確で簡便です。40歳以上になったら、定期的にこの検査を受けるとよいでしょう。