公益社団法人 前橋市医師会

認知症の物盗られ妄想

2018年04月01日掲載
佐藤 大仁(前橋市医師会)監修

認知症のAさんは「嫁が財布を盗んだ」とぷんぷんです。
本当は、なくさないよう自分で押し入れの奥に隠したのです。
人は失った記憶を別の物語で埋め合わせます。
それではなぜ、取られたと訴えるのでしょう。
今まで家族を支えてきたAさん。
認知症で世話をされる側になり、記憶とともに家庭内の尊敬される立場も失ってしまいました。
Aさんはこれまでの立場を嫁に奪われたと感じているのかも。
立場を取り戻そうと必死だったのです。
認知症の人は築いてきた社会的立場を守られると妄想が生じにくくなります。
友人が認知症になっても関係を維持し昔話を楽しんでください。
家族が認知症になったとき、間違いを正そうとすると立場を奪うことになりかねません。
かといって嘘をついてよいのか、放っておいてよいのかと悩むことでしょう。
独りで悩まず、かかりつけ医や地域包括支援センターに相談してください。