公益社団法人 前橋市医師会

「インフルエンザの予防接種」

2000年12月31日掲載
中 田 益 允(前橋市医師会)監修

 今から14年前(1987年)、前橋市医師会に属する前橋市インフルエンザ研究班は、当時80~90%という高率で行われていたワクチンの集団接種は、小中学校のインフルエンザ流行を抑える力がないとする報告書を発刊しました。それは同時に、今のワクチンは、インフルエンザにかかることを防げないということを示したものでした。
 その10年くらい前からその後にかけて高まった国民の集団接種批判により、1994年、国はやっと予防接種法を改正し、インフルエンザワクチンを任意接種としました。今も法律上は任意接種です。
 しかし、法改正にかかわった厚生省の研究班や審議会の中には、かかることは防げないが、かかった人の症状を軽くすることができるという考え方が強くありました。それが今、予防接種法に特別の分類を設けて、定期接種にしようという提案として表れています。どうもインフォームドコンセント(知識または情報を与えられて同意すること)の基となる調査や研究より、宣伝のような議論が多いのはそのためではないかと思われます。
 小児科医であるわたしは、当時の研究班の資料や経験から、少なくとも子供にとっては見るべき症状軽減効果はないと思っています。最近、山形県のある開業医が、成人も含めて綿密な診断を基に、ワクチンはやってもやらなくても症状には差がないと発表しました。副作用のことは今のところあえて無視されているようですが、とても乳児期から一生の間、毎年2回ずつ接種する気にはなりません。任意接種で十分だと思います。
 今のワクチンに混ざっているB型ワクチンは、昔から効かないといわれ、今もワクチン推進論者でさえ効かないという人がいるのにそのままなのも、考えてみればおかしなものです。